郷土玩具のABC

日本各地の郷土玩具を紹介しています

土鈴

【土鈴】

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こちらは富山県土人形【土鈴(どれい)】です。

とやま土人形こちらでも紹介しましたが、今回は違うモチーフで【土鈴】です。

 

こちらに描かれているのは剣岳の風景になります。

左の黄色の花は「カンチコウゾリナ」はたまた「ウサギギク」もしくは「オトギリソウ」??

右の鳥は「雷鳥」です。白く描かれていますから、きっと冬ですね。 

雷鳥」は季節で羽の色が変わるので、白の羽は冬なんですよ。

白になるのはきっと雪景色になじむためなのかな。。。?

こちらは富山県のアンテナショップで手にいれたのですが、

他にも同じ剣岳【土鈴】があって柄違いだったので、

きっと他の季節が描かれていたのだろうな~

 

富山土人形の復習です。

嘉永年間(1848~54)富山十代藩主前田利保が名古屋の陶工、加藤家の陶器職人であった広瀬秀信を富山に呼び、千歳御殿に窯を築いて千歳窯を作り、次いでその子・安次郎が陶器作りのかたわら天神臥が牛ぎゅうを焼いて献上したのがとやま土人形の始まりです。

当時、城下には土人形屋は数軒ありましたが、広瀬家より技法を学んだ渡辺家(明治3〈1970〉年創業)だけが家業として伝統を守り続けてきました。

しかしながら、渡辺家の3代目信秀氏の後継者がいなかったために、富山市では昭和58(1983)年より渡辺信秀氏を講師として人形づくりの受講生を募り「とやま土人形伝承会」を結成しました。平成9(1997)年信秀氏高齢(83歳)のため、長年守り続けてきた土人形づくりに終止符を打ち、代々受け継がれてきた型・技法全ての仕事を「とやま土人形伝承会」に委ねました。現在は「伝承会」がこの伝承技法を後世に伝えるべく活動を続けております。

富山民族民芸館HPより

 

ちなみの【土鈴】の意味とは?

土製の鈴。どすず、つちのすずともいう。江戸時代の国語辞書『和訓栞(わくんのしおり)』(谷川士清(ことすが)著)によれば、鈴はその音が涼しいのでこの名が生じたとある。それを打ち鳴らせば、除魔の呪力(じゅりょく)があると古くから信じられて祭典に用いられ、また魔除(まよ)けの御守りともなった。古墳文化時代の副葬品、あるいは打ち鳴らして急を知らせる道具にも使用され、原始楽器の一つでもあった。
玩具(がんぐ)としての土鈴が登場するのは、江戸時代初期に京都の伏見(ふしみ)の土焼きの一つとしてつくられたのが最初とされる。伏見焼の土鈴は、伏見稲荷(いなり)の土産(みやげ)物として売られてきた。土鈴を10個ずつ藁(わら)でくくって鈴成りに見立て、果樹の枝につるして豊穣(ほうじょう)を祈ったり、または井戸につるして虫除けのまじないとした。そのほか、美江寺観音(みえじかんのん)(岐阜県)の養蚕の良好を祈る蚕(かいこ)鈴、福島羽黒山神社(福島県)の開運縁起の土鈴猿に仕立てた「まさる」、英彦山(ひこさん)(福岡県)の害虫除けのガラガラ鈴、御岳金桜(みたけかなざくら)神社(山梨県)の虫切りのまじないとされる虫切り鈴などがあげられる。

 

日本大百科全書より

魔除けだったり、豊穣を祈ったり虫除けだったり、いろんな願いが込められているのですね。確かに【土鈴】はいろんな郷土玩具や神社の授与品にもありますから、意味を調べてみるのも楽しそうですな~

 

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