郷土玩具のABC

日本各地の郷土玩具を紹介しています

いのしし

【いのしし】

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こちらは山形県米沢市の「笹野一刀彫」の【いのししです。

 

「笹野一刀彫」は【お鷹ぽっぽ】【花鳥】でもご紹介しましたが、

農民の冬期の副業として工芸品の製作を奨励したことにはじまり、

魔除けや“禄高を増す”縁起ものとして、親しまれてきたそうです。

 

「笹野一刀彫」の代表作はなんといっても【お鷹ぽっぽ】ですが、

こんなのもあるようで、可愛いですよね!

木の素材をそのまま活かして上手に表現していますよね~

目の表情がなんとも良いと思いませんか?

 

「笹野一刀彫」について

笹野一刀彫は千数百年来、米沢市笹野に伝承する有名な郷土玩具です。技法はアイヌのイノウといわれ、笹野の里にはアイヌの遺跡があります。

千百余年前、坂之上田村麻呂が東征の際、戦勝祈願に開基した千手観音と共に信仰玩具として興ったとされています。

材料は里人がアブラコと呼んでいる野生の喬木で「サルキリ」「チヂレ」という独特の刃物を使って彫り削り、簡単な色彩をつけたものですが、その野趣に富んだ素朴な作品は一種の風格を備えて多くの愛好家から親しまれてきました。

上杉十代の藩主鷹山公が、豪雪にとざされる冬の副業として指導、推奨されてから、公の訓えを「鶏」のように早起し「餅つき兎」のように努力「蘇民将来」を信仰し「恵比寿大黒」を守り神に『笹かぶり農婦の如く農に励めば、「亀」のように長生し「せきれい」の如く子孫が繁栄して「おたかポッポ」と身代がふえる』と作品に表現して今日に至ったと伝えられております。

優美な気品をそなえた笹の一刀彫が、農耕でふしくれだった農民の手で掘り削られ、更に技法をみがき乍ら今日まで伝えてきた長い伝統は驚嘆の外なく、工人達の研究工夫は昨今の作品に一種の気品をそなえ、山形県の推奨品として諸外国にも輸出され好評を博しています。

 

古代笹野一刀彫説明書より

 

千数百年!!

おったまげるほど昔からある笹野一刀彫。

大昔の人も、人形を手にしてあんなことやら

こんなことなんかに思いを馳せていたのかしらん??

 

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