郷土玩具のABC

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裃猫

【裃(かみしも)猫】

 

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こちらは東京都の江戸玩具の【裃(かみしも)猫】です。

裃を着て正装している猫の土人形です。

かなり小さな人形になります。高さが約3cmの小さな人形なんですが、ご覧のようにとても丁寧に作られています。

当然ですが手作りなので、左右の猫の表情も違いますし、膝においた手の位置も違います。

この人形をお店で見かけて気になりながらも、なかなかタイミングが合わなかったのですが、一旦手にしてみるとなんとも不思議な魅力があるように思います。

とても小さいけれど存在感があります。きっと、精巧に作られているからだと思います。

 

江戸玩具というだけあって、猫の表情がこころなしか粋がっているような気がしませんか?(笑

裃は正装ですから、きっと身分の高い猫なんでしょうね。(笑

 

ちなみに裃って?

裃(上下、𧘕𧘔、かみしも)は、和服における男子正装の一種。通常は肩衣と袴を共布で作り、小袖の上から着る。肩衣は背と両乳、袴の腰板の4か所に紋を入れて用いる。江戸時代には無官の武士の最礼装とされ、身分のある百姓や町人もこれに倣うことが多かったため、現在でも伝統芸能や祭礼などにおいて用いられることがある。 

Wikipediaより

 

この猫たちは武士なのかしら?
小太刀はないから、町人かな~?なんて考えてしまう私はなかなかバカかもしれませんね。

 

ちなみのちなみに江戸玩具って?

江戸玩具は、元禄時代徳川吉宗贅沢禁止令が出して庶民は、派手なものや、大きなおもちゃでの遊びを慎まざるをえないことから発祥したそうです。
江戸時代の職人たちが、目立たない、小さいものに工夫を凝らして遊ぶようになり、それが今の江戸玩具として残ったそうです。

こちらの【裃猫】は江戸玩具職人の杉原茂夫さんの作品です。江戸時代から代々受け継ぎ、杉原茂夫さんは五代目樂翁斎東山(らくおうさいとうざん)として現在も精巧な玩具を作り出しています。

杉原さんは60年以上も江戸玩具を製作されているそうですが、今や江戸玩具職人は杉原さんただ一人だそうですよ~
江戸玩具は今でいうところのミニチュアに近いものが多いようなので、この【裃猫】は意外とレアかもしれませんな。

 

皆さんもどこかで、江戸玩具を見つけたら是非間近でじっくり見てみてください。作りの精巧さにびっくりされると思いますよ!!

 

こちらの書籍で郷土玩具が詳しくみやすく紹介されています。